食事に関する注意
本記事は健康な成人向けの一般的な情報で、医療・栄養指導の代わりになるものではありません。必要な食事量や回数は、年齢、体格、活動量、健康状態によって異なります。糖尿病など血糖の管理が必要な方、持病のある方、服薬中の方は、食事回数や内容を自己判断で変える前に医師や管理栄養士へ相談してください。
先に確認してください:「増えにくい」と「減っている」は別です
以前から体重が安定している「増えにくい体質」と、食事や運動を変えていないのに体重が減っていく状態は、まったく別の問題です。
英国NHSは、急に体重が減った場合、食事や運動を変えていないのに体重が減った場合、感情や状況に対処するために食事をコントロールしている場合は医師に相談するよう案内しています。これらは病気が背景にある可能性があるためです。
心当たりがある方は、増量法を試す前に医療機関へ相談してください。この記事は「昔から増えにくい」人に向けたものです。
私は体重が増えにくいタイプです。
極真空手を約15年やって、軽量級と中量級の両方で試合に出ましたが、減量で苦労した記憶はほとんどありません。困ったのは逆でした。
60kgから始めて、80kgを目指しました。届いたのは74kgまでです。
食べても増えない。だから、常に食べていました。この記事では、そのときからの習慣として今も続いている1日5食の中身を、時刻と量まで含めてそのまま書きます。
先に結論
- 1日5食(7時・10時・12時・15時・19時)。意図的にそうしています
- 理由は吸収率ではなく、1回を軽くして1日の総量を確保するため
- 朝はバナナ、牛乳、プロテイン、大福、間食は2回ともおにぎり、夜は和食中心
- たんぱく質は朝・昼・夜で摂り、間食2回は糖質中心
- コンビニは基本使いません。理由は値段が高いからです
- 外食は週1回程度。内容は家族が食べたいもの
- 今はそこまで意識していません。現役ではないからです
- 60kg→目標80kg→到達74kg。70kg前後と75kg以上で止まりました
1日5食の中身(時刻・量つき)
飾らずに書きます。
| 時刻 | 内容 |
|---|---|
| 7時 | バナナ、牛乳、プロテイン(たんぱく質20g分)、大福 |
| 10時 | おにぎり |
| 12時 | 弁当(和食。主菜はその日による) |
| 15時 | おにぎり |
| 19時 | 和食中心(ご飯、味噌汁、焼き魚、卵焼き、納豆など。煮物やサラダが出る日も)+ プロテイン |
時刻はいずれも「だいたい」です。プロテインは製品パッケージに書かれている分量で、1回あたりたんぱく質20g程度になります。

凝ったことは何もしていません。間食が2回とも「おにぎり」なのは、手に入りやすく、食べるのに時間がかからず、糖質をしっかり摂れるからです。プロテインバーやサラダチキンではありません。
夜は家族と同じものを食べていて、子供の食事に合わせています。自分用に別メニューを作ることはしていません。
並べると、組み立てはこうなっています。たんぱく質は朝・昼・夜の3回で摂り、間食2回は糖質でエネルギーを足す。意識してこの形にしたというより、続けているうちにこうなりました。
なぜ5食なのか(「吸収効率」ではありませんでした)
体重を増やすうえで重要なのは、5食にすること自体ではなく、1日の総摂取エネルギーを確保することです。私にとって5食は、一度に食べられない分を回数で補う手段でした。
そのうえで、正直に書き直しておきます。
当時の私は「吸収効率のため」と考えていました。ですが、5食にすれば同じ量でも吸収率が上がる、という根拠があるわけではありません。実際に効いていたのは、もっと単純なことです。
1回の食事量を軽くして、1日全体の摂取量を確保しやすくする。
1日に必要な量を3回で入れようとすると、1回あたりが重くなります。稽古で追い込んだ日は食欲も落ちるので、一番食べるべき日に食べられないという状態になっていました。だから回数を増やしました。
この考え方は、国立スポーツ科学センター(JISS/HPSC)の増量に関する資料でも示されています。増量時に補食を利用する目的として、「運動前後(食事の合間)」「食事が一度に食べられない場合など回数にわけて食べる」が挙げられています。
つまり、私がやっていたのは特別な工夫ではなく、一度に食べられない人の一般的な対処法でした。
同資料では、増量に必要な要素として①食事 ②トレーニング ③睡眠の3つが挙げられ、摂取エネルギーが消費エネルギーを上回ることが前提とされています。食事だけの話ではありません。
参考資料:
1日5食より先に確認したい、総摂取量とたんぱく質の配分
回数は手段であって目的ではありません。3食で必要量が入る人は、3食で問題ありません。
そのうえで、目的によって見るべきものが変わります。ここは分けて書きます。
一般の健康な成人が「体重を増やしたい」場合
英国NHSは、健康的に体重を増やす方法として次のような点を挙げています。
- 1日あたり300〜500kcal程度を目安に、少しずつ増やす
- 1回の食事量を減らし、回数を増やす。間食を挟む
- チーズ、ナッツ、種実類などでカロリーを足す
- 食事の間に牛乳系の飲み物など高カロリーの飲料をとる
- 豆類、魚、卵、赤身肉などでたんぱく質を足す
- 筋力トレーニングで筋肉をつける(食欲の改善にもつながる)
- チョコレート、ケーキ、甘い飲み物に頼らない
- 食前に飲み物で満腹にしない
回数を増やすこと自体は、公的機関も勧めている方法です。ただし「甘いものでカロリーを稼ぐ」ことは勧められていません。
筋肉量を増やしたい競技者の場合
競技者では、食事だけでなくトレーニング・総エネルギー・たんぱく質の量と配分・睡眠をまとめて計画することになります。
たんぱく質量については、国際スポーツ栄養学会(ISSN)が1日体重1kg当たり1.4〜2.0gを目安として示しています。JISSの資料では体重1kg当たり2.2gという数値も紹介されていますが、これは「それ以上増やしても筋肉の増加が頭打ちになる」上限側の推定値であって、全員が目指す目標値ではありません。
ただし同資料には、「1日に筋肉の合成に使えるたんぱく質には限界があり、多量の摂取は体脂肪の蓄積や栄養バランスが崩れる原因にもなる」とも書かれています。多ければ多いほどよい、ではありません。
これらは競技者向けの数値です。一般の方が体重を増やしたい場合は、まず総摂取量、食事のバランス、体重の推移を確認するところからで十分です。必要ならスポーツ栄養士や管理栄養士に相談してください。
参考資料:
- Healthy ways to gain weight(NHS)
- International Society of Sports Nutrition Position Stand: protein and exercise
- ウェイトコントロールガイドブック(国立スポーツ科学センター)
たんぱく質の摂り方はプロテインの選び方にまとめています。
朝に大福を食べる理由
これはよく驚かれます。理由は2つです。
- さっと食べられる
- 糖質とエネルギーを手早く足せる
朝は時間がありません。会社の準備と子供の支度があるなかで、調理が必要なものは現実的に無理です。大福は封を開ければ食べられて、糖質がしっかり入っています。私には使いやすい食品でした。
ただし、大福を増量法として勧めているわけではありません。これは通常の食事を補う位置づけです。前述のNHSも「チョコレート、ケーキ、甘い飲み物に頼らない」としています。主食・主菜・副菜が土台にあったうえでの、追加の1品として考えてください。
そして念のため書いておくと、これは体重を増やしたい人の話です。減量したい人、血糖の管理が必要な人には当てはまりません。同じ食べ物でも、目的が違えば評価は逆になります。
コンビニを基本使わない理由
理由は健康面ではありません。値段が高いからです。
栄養がどうこうではなく、単純にコストが合わない。使うとしても飲み物くらいです。
おにぎりも弁当も、コンビニで毎日買えば相当な金額になります。続けるためには、金額が現実的である必要があります。私が5食を長く続けられているのは、1食あたりの負担が軽いからでもあります。
これは体づくり全般に言えることだと思っています。週2回×30分の筋トレを続けられているのも、無理のない設計にしているからです。続かない方法は、正しくても意味がありません。
外食では、主食・主菜・副菜を確認する
外食は週1回程度です。内容は家族が食べたいもの。寿司、焼肉、和食、ラーメン、中華。私が栄養バランスで決めているわけではありません。
お酒は基本的に飲みません。飲むのは会食のときくらいで、飲むとしても日本酒です。会食のときは、食べ物の側でたんぱく質を意識するようにしています。
厚生労働省のe-ヘルスネットに、実用的な指摘があります。外食や持ち帰り弁当の利用が多い人は、主食・主菜・副菜を組み合わせた食事の頻度が低いことが報告されています。丼ものや麺類だけで済ませてしまいやすいためです。
そして、見落としやすい注意点がこれです。
冷奴、卵焼き、鶏唐揚げなどの小鉢は、主にたんぱく質の供給源であり、副菜(野菜等)の組み合わせにはなりません。
小鉢を1品足したから野菜が摂れた、とはならないということです。野菜が少ないメニューを選ぶなら、サラダや野菜の和え物を別に足す必要があります。
正直に書くと、これは私の夕食にも当てはまる日があります。我が家では煮物やサラダが出る日もありますが、毎日ではありません。「ご飯・味噌汁・焼き魚・卵焼き・納豆」だけの日は、主食と主菜は揃っていても副菜が薄い献立です。卵焼きも納豆もたんぱく質側であって、野菜ではありません。
外食の話として書きましたが、家で食べていても同じことが起こります。献立を意識していないと、副菜は自然には増えません。
なお、外食を週1回以上利用している人の割合は男性41.6%、持ち帰りの弁当・惣菜を週1回利用している人は男性47.2%で、20〜50代の幅広い世代で高い傾向があると報告されています。外食が多いのは、あなただけの事情ではありません。
参考資料:
正直に書くと、今はそこまで意識していません
5食は続けていますが、内容を細かく管理してはいません。たんぱく質が足りていない日もあります。それでも構わないと思っています。私はもう現役ではないからです。
試合に出ていた頃は、体重も食べる量も意味のある数字でした。今は違います。今の目的は体を維持することで、必要な水準は現役時代とは別のところにあります。
現役でない人が、現役と同じ基準で食事を管理する必要はありません。
これは手を抜いているという話ではなく、目的が変わったという話です。目的が変われば、必要な精度も変わります。ここを取り違えると、達成できない基準を自分に課して疲れることになります。
ただし、混同してはいけない線があります。
競技者向けの基準を毎日満たす必要がないことと、栄養不足が長く続いてよいことは別です。私は1日単位で完璧に管理はしませんが、数日から1週間の食事全体で、主食・主菜・副菜が大きく欠けていないかは見るようにしています。1日の緩さと、1週間の偏りは別物です。
増量できなかったのは、たぶん量が足りていなかった
最後に、当時の話に戻ります。
私は60kgから始めて、80kgを目指していました。実際に届いたのは74kgくらいまでです。
しかも、途中で2回止まっています。70kg前後で一度止まり、そして75kgを超えることはありませんでした。5食にしても、そこから先には行けませんでした。
原因は何だったのか。正直に言うと、断定はできません。当時の私は摂取量も消費量も測っていなかったからです。
ただ、今の視点で考えると、稽古量に対して食事量が足りていなかった可能性が最も高いと思っています。
体重を増やすには、摂取エネルギーが消費エネルギーを上回っている必要があります。稽古量が多ければ消費も大きくなる。「たくさん食べている」という感覚だけでは、必要量を満たせていたかどうかは判断できません。私はその感覚だけで6年近くやっていました。
5食にしていたのは、その状態に対する私なりの答えでした。一度に食べられないなら、回数で入れるしかない。結果として14kg増えて、20kgには届かなかった。それが実際に起きたことです。
減量と増量の話は格闘技の減量は必要か?に詳しくまとめました。
まとめ
- 「増えにくい」と「減っている」は別。食事も運動も変えていないのに減る場合は、まず医療機関へ
- 私は60kg→目標80kg→到達74kg。70kg前後と75kg以上で止まった
- 1日5食(7時・10時・12時・15時・19時)。理由は吸収率ではなく総量の確保
- たんぱく質は朝・昼・夜、間食2回はおにぎりで糖質
- 公的資料でも「一度に食べられない場合は回数を分ける」は増量時の対処法として示されている
- NHSは一般成人の増量に1日300〜500kcalの上乗せ、間食、筋力トレーニングを挙げ、甘いものに頼らないことも示している
- 朝の大福は手早く糖質を足せるから。ただし食事の土台があってこその追加
- コンビニは使わない。理由は値段。続けるには金額が現実的である必要がある
- 外食でも家でも、小鉢のたんぱく質は副菜にならない。野菜は意識しないと増えない
- 今は徹底していない。現役ではないから。ただし1週間単位で大きな偏りは見る
- 増量できなかった原因は断定できないが、量が足りていなかった可能性が最も高い
参考資料について
本記事は運営者の実体験に加え、公開されている公的機関・専門団体の資料を参照しています。当時の摂取量・消費量は記録していないため、数値は体重の変化を除き記憶にもとづく概算です。適切な食事量・回数・内容は個人によって異なります。不安がある場合は医師や管理栄養士に相談してください。
忙しい中でのトレーニングは週2回×30分で体を維持する筋トレ、サプリの位置づけはサプリは何から?もどうぞ。

